住まいは賃貸か持ち家か

不動産投資

あなたは賃貸派?持ち家派?

昨今、マンション価格の高騰が連日のように報道されていますが、これだけ住宅の値段が上がってくると持ち家を買おうにもなかなか踏み切ることができない方も多いのではないでしょうか。

建築コストの高騰や、購入者層の変化などが理由として挙げられますが、何よりこの高騰を支えているのは、日本特有の「良い不動産は値が上がり続ける」という心理が根底にある様に感じられます。

実際に高額な住宅を購入する方の大半は、「頑張ってローンを返しきる」と考えている人は少なく、「何かあったらこれだけ良い物件だから売却して、適当なところに引っ越そう」と考えているように見受けられます。実際に私の周りの人はほぼ全員こんな考えです。

今日は今後、こうした環境の中でどのように住宅と付き合っていけばいいのか考えていきましょう。

「賃貸か持ち家か」は答えのない永遠のテーマ

よくネットのブログやSNSでは「賃貸は維持コストもかからず、気軽に引越しも出来、ローン金利が上がっても影響を受けないから、賃貸の方がいい。」「住宅ローンはポケットからお金を持ち出す負債だ。」などの意見がささやかれています。

これはベストセラーとなったロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん、貧乏父さん』に持ち家が負債との記述があったことに由来しています。

実際に資産とは「収入を生み出すもの」であり、負債とは「支出を生み出すもの」ですので、住宅ローンや固定資産税や修繕費を生み出す持ち家は負債というのはその通りだと思います。

ただそうだからと言って賃貸の方がいいという考えは危険です。

賃貸のメリット・デメリット

まず賃貸のメリットとしては以下が挙げられます。

・固定資産税や修繕費の直接コストが発生しない

・借り手の方が権利が強いため、家賃の値上げ交渉に有利

・隣人トラブル等に対して引越しが可能

次にデメリットですが

・更新料が発生する

・家賃値上げ交渉で法的措置手段を取られる可能性がある

・老後に新たな賃貸契約が難しくなる

・永遠に賃料を支払わなければならない

よくこちらをご覧いただきますと、メリットは気軽に住めるということだとわかります。逆にデメリットは貸し手(大家さん)にとってのメリットです。

賃貸を利用する人は大家さんにとってのお客さんです。お客さんといえば聞こえはいいですが要するに「収入を取られる側」です。「収入を取る側」からすれば賃貸派の人が増えてくれた方がありがたいですよね。結局、賃貸に住むということは「負債を持たない」ことではなく「自分が他人の資産になる」ということです。賃貸派の意見を出す方はこのように「収入を取る側」の人が大半です。

老後に賃料を支払い続ける恐怖

先ほどデメリットとして、「永遠に賃料を支払わなければならない」と記載しましたが、まさにここにつきると思います。

感情的なお話にもなってきますが、いくら資産や負債などと考えていっても、老後に毎月賃料負担があるというのは精神的に非常に重いものがあります。

また金利が上がった場合は大家さんの返済負担が増えますので、大家さんからすれば賃料を上げなければやっていけません。このような時に「周辺賃料対比、不当に低い賃料で住み続ける」というのは難しいので、訴えられたら負ける可能性も大いにあります。

その結果、賃料が安いところに引越しをしていかなければならなくなります。

最終的にどんなところでも住めればいいと考えている方は、一生賃貸でいいかもしれませんが、このようなリスクが死ぬまで付き纏うことには注意が必要です。

持ち家は負債とは言い切れない

筆者の意見を申し上げますと、「条件付きであれば持ち家の方が良い」ということです。

条件とは何かですが、それは「売却の際にある程度の価格で売れる」というものです。

持ち家は住宅ローンに固定資産税、修繕費負担と確かに賃貸に比べて負担は多いですが、ローンを完済さえしてしまえば、納税や修繕は賃料の比ではなく何より老後の安心感があります。

ただ下記の条件に当てはまる持ち家には危険が伴いますので注意が必要です。

資産価値の下落率が高い持ち家

資産価値の下落率とは、買った時点の価格から価値が下落していくスピードです。

代表的なものは、「土地が安い物件」、「築年数が古い物件」です。

まず建物というのは年月の経過と共に価値はどんどん失われていきます。建ち上がったときはどんなに素敵な建物も年月の経過と共にどんどん魅力は失われていきます。

今では寂れたように見えるマンションも、建築当時はとても人気だったという話はよく聞きます。

法定耐用年数というものが定められていますが、木造なら22年、重量鉄骨造なら34年、鉄筋コンクリート造なら47年となっています。この年数が経過したらダメになるかと言われるとそういう訳ではなく、あくまで減価償却の基となる数字ですが、大体これくらいの年数が経過すると建物の魅力はかなり落ちてきます。

リノベ物件にご用心

最近は築古の戸建て住宅やマンションをフルリノベーションした上で、新品同様の価格で売り出されている物件が多く見受けられますが、こうした物件には注意が必要です。

リノベーションとはあくまで改築である為、築古であることに変わりはありません。

例えば築30年の物件をフルリノベして新築同様に売り出される物件があったとしましょう。その物件はあくまで「築30年の物件」なんです。ここに20年住んで売り出した場合、それは「築50年の物件」なんです。

またリノベは柱は元や枠組み等は建築時のものがそのまま使われますので、ちゃんと50年の傷みが蓄積されています。

国家が丁寧に手入れをしている文化財ではない普通の住宅、あなたならこの物件を買いたいと思いますか?

最後にモノを言うのは土地の価値

戸建てにしろ、マンションにしろ、「どこに建っているか」がとても重要なのです。いずれは朽ちていく建物にお金をかけるよりも、最後に一番重要なのは土地、立地です。

ここを見極め、将来的な資産価値の高い不動産を選ぶことにより、ただの負債では終わらない、資産価値としての不動産を所有することが可能になるのです。

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